高齢者虐待ゼロ社会を提言 (介護)

 

 「高齢社会をよくする女性の会」(樋口恵子代表)はこのほど、「高齢者虐待ゼロ社会を目指す提言」をまとめ、5月12日に坂口厚生労働相に提出しました。提言は、「長い人生の最終段階で頼りにする家族や介護者から虐待されることは痛切の極みであり、あってはならない」と強調しました。法的な整備を含めて、「高齢者虐待ゼロ作戦」を展開するよう求めています。

 提言はまず、「高齢者虐待防止法」(仮称)を策定し、虐待は犯罪であることを明記するとともに、何が虐待に当たるのか、その定義を明らかにして周知徹底を図ることを求めています。

 また家族が虐待に走らざるを得ない事情も少なくないことから、被害者救済と同時に加害者への対応を重視しています。「被害・加害双方に必要なケアが行われない限り虐待の悪循環はとまらない」と指摘しています。

 提言は、虐待の危機にさらされているのは在宅の要介護高齢者ばかりではないと指摘しています。密室化した介護施設やグループホームでも虐待がおこり得るほか、元気で自立した高齢者であっても家族の虐待を受ける危険性があるとし、きめ細やかな対応が必要であるとしています。

 医療経済研究機構が行った高齢者虐待に関する調査によりますと、虐待の加害者は32.1%が息子である一方、被害者となるのは76.2%が女性です。女性はとくに虐待の被害者となりやすい状況にあることを考慮し、女性の人権を守る観点からの適切かつ長期的な対策が求められるとしています。