ネットワーク基盤で報告書 (医療情報)

 

 厚生労働省の「医療情報ネットワーク基盤検討会」(座長=大山永昭・東工大教授)はこのほど、電子的な印鑑証明に当たる公開鍵基盤や書類の電子化、診療録の電子保存を中心に医療情報のネットワーク化に向けた運用管理上の技術課題や制度基盤に関する報告書をまとめました。

 現在、診療録は一定の条件下で電子保存が認められていますが、診断書や処方箋など医師らの署名が必要な文書を電子媒体で交付・運用・保存することはできず、医療情報ネットワーク化を推進する上で課題となっていました。そのため同検討会は、12年5月に成立した電子署名法の医療分野への適用を中心に15年6月から検討してきました。

 報告書は、署名自体に公的資格の確認機能をもたせる公開鍵基盤(ヘルスケアPKI)の整備を目指し、その開設にあたっては国際的標準であるISO/TS17090を参酌標準とし、医籍登録情報データベースの整備や秘密鍵付き電子証明書の発行が必要としています。

 一方、放射線照射録などの書類の電子化は、電子署名法に適合していれば電子化を認め、院外処方箋は医師・歯科医師・薬剤師の国家資格の認証機能を含む電子署名の実施を前提とすべきとしました。さらに今後バーコードや電子タグにより処方箋の電子化を進めることが望ましいとしました。

 診療録等の電子保存については、技術仕様や運用体制の安全基準について、ガイドラインの策定を求めています。

 診療録のオンラインによる外部保存については、当面、質の高い医療提供体制の構築を目的とする場合に国の機関、独立行政法人、国立大学法人、地方公共団体などが開設するデータセンターに限定し、同センター等が未整備な地域で震災対策のために必要な場合には容認するとしています。