21年ぶりの全面改正を通知 (病院会計準則)

 

 厚生労働省は8月19日付で、病院の会計ルールを定めた病院会計準則を約21年ぶりに全面改正しました。これを受け医政局は同日、改正病院会計準則についての局長通知と、改正準則の基本的考え方や内容、留意点をまとめた指導課長通知を都道府県や関係省庁、医療・病院関係団体などに送付しました。改正準則について、準備が整った病院から時機をとらえて自主的に活用するよう促しました。

 

 病院会計準則は、1965年に制定され、83年に1度改正されています。その後、病院を取り巻く経営環境や医療サービスにかかわる構造が変化し、企業会計や非営利組織会計などの会計基準が大幅に変更されていることなどを受け、今回の全面改正に踏み切りました。

 

 改正病院会計準則は、厚生労働科学研究「病院会計準則見直し等に関する研究」の報告書に基づき改正されました。内容は、パブリックコメント募集時の準則案と同じものになっています。

 

 改正準則は、財務諸表体系を@貸借対照表A損益計算書Bキャッシュ・フロー計算書C付属明細表で構成します。利益処分計算書を廃止する一方で、資金の流れが把握できるキャッシュフロー計算書を新たに導入しました。

 

 また、「資本の部」を「純資産の部」に変更するなど表示内容を見直したほか、リース会計、研究開発費会計、退職給付会計など企業会計で導入されている新会計ルールを取り入れました。財務諸表によって病院経営の実態を適切に把握できるようにしました。

 

 指導課長通知では、改正準則は、開設主体の異なる病院の財政状態や運営状況を体系・統一的にとらえるための「施設会計」で、経営管理に有用な会計情報を提供する「管理会計」の側面を重視していると説明しました。「開設主体が違っても横断的に採用され、これに準拠した財務諸表が作成されることが期待される」として、準備が整い次第、自主的に活用するよう求めています。

 

 さらに、日赤や済生会、厚生連などの公的医療機関開設者に対しては、開設主体の会計基準を改正病院会計準則に極力整合させるなどの積極的な活用を要望しました。会計基準が企業会計見直しの最新動向に対応してすでに改定されている場合は、策定中の「病院会計準則適用ガイドライン」を活用して病院単位の会計情報の比較が可能になる取り組みも要請しました。

 

 

 医療・病院関係団体などに対しても、改正準則が広く活用されるよう特別な配慮を求めています。

 

 これとは別に厚労省は、準則改正にあたっての留意点をまとめた医政局長と同局指導課長名の2つの通知も、19日付で各都道府県などに送付しました。

 

 このうち医政局長通知では、医療法人の会計処理や決算届け出について解説したほかの3つの通知について、文中にある「病院会計準則」は新基準に改めるものの、新旧両方を指すとの見解を示しました。指導課長通知では、医療法人が改正準則を用いて会計処理を行う場合に用いる新たな決算届け出様式を示しました。

 

 厚労省は今後、必要性が指摘されている医療法人会計基準の制定に向け、本格的な検討を開始することになります。