原則禁止に法的根拠なしの判決 (混合診療)

 

 保険診療と自由診療を併用する混合診療を受けた場合、保険診療分も含めて全額が自己負担となる「混合診療原則禁止」のルールをめぐって争われた訴訟で、東京地裁は11月7日、「混合診療の禁止に法的根拠はない」とする判決を示しました。

 厚生労働省の水田保険局長は同日付で、「混合診療の取扱いに関する目的の合理性と制度の妥当性を主張してきたが、主張が認められず極めて厳しい判決」との談話を発表しました。

 訴えたのは神奈川県の男性で、肝臓がんの治療のため保険給付対象のインターフェロン療法と保険給付外の活性化自己リンパ球移入療法を併用しています。保険給付部分のインターフェロン療法について、「療養の給付」を受ける権利の確認を求めました。判決は保険診療と自由診療を一体と見て保険診療分も全額自己負担とする根拠は「見出しがたい」として男性の主張を認めました。その一方で、「法解釈の問題と差額徴収制度による弊害への対応や混合診療全体の在り方等の問題とは次元の異なる問題」と指摘しています。

 舛添厚生労働相は11月9日の会見で判決についてコメントし、「混合診療はプラスマイナスがあり、基本的な原則はいまのところ曲げない」と述べるとともに、審議会などの場で広く議論してほしいと述べました。

 日本医師会も11月9日に見解を発表し、「あくまで法解釈についての判決」であるとし、混合診療解禁を容認するものではないとの見方を示すとともに、「混合診療の法的根拠があいまいな点は問題もある」と指摘しています。国に対して混合診療の定義をわかりやすく示し、立法的手当をとるよう求めました。

 また、混合診療については、医療給付上の格差を是正するとして一貫して反対していることを強調しました。