社会医療法人の医療保健業は非課税に

与党が20年度税制改正大綱を決定

 

 ◎20年4月から実質的スタート 年度内に認定要件を明らかに

 

 社会医療法人は救急や周産期、小児科の医療など公益性の高い分野を担う医療法人として、平成18年の医療法改正で創設され、19年度から施行されました。しかし、税制の取扱いや要件の一部が20年度からの都道府県の医療計画に記載されることから、実質的なスタートは20年4月からとなっていました。

 社会医療法人の税制では、医療保険業が非課税になるほか、それ以外の収益事業では22%の軽減税率が適用されます。さらに、収益事業の収益の医療保健業への繰り入れを寄付金とみなし、50%を上限に損金参入できます(200万円に満たない場合は年200万円)。

 また、社会医療法人の認定を受けた場合は、法人の解散及び設立があったものとして取り扱うほか、認定の取り消しを受けた場合には、簿価純資産価格から利益積立金額を控除した金額を利益の額に参入することにしています。

 20年度税制改正大綱で、医療保健業に対する法人税を非課税にするなど、税制の取扱いが固まったため、今後は救急医療等確保事業の実績など、認定要件を定めれば、社会医療法人への医療法人の移行が始まります。厚生労働省は年度内に認定要件を明らかにします。

 現在、22%の軽減税率が適用されている特定医療法人と5年間の経過措置が設けられている特別医療法人が公益性の高い医療分野を担う医療法人になっていますが、確定要件のうち、救急医療等確保事業の実績などを満たせなければすべての法人(433法人)が移行できるとは限りません。厚生労働省は非課税という非常に優遇された課税措置であるため、認定要件を厳格にする方針です。

 自治体病院などの経営見直しが迫られている中で、公益性を追求した社会医療法人が地域医療の中核を担うことが期待されています。

 18年の医療法改正で、平成19年4月以降設立できる医療法人は、社会医療法人と特定医療法人、経過措置型医療法人、その他の医療法人のみとなりました。経過型医療法人は出資額限度法人と持分あり医療法人があり、出資持分を放棄すれば社会医療法人などに移行できます。ただし後戻りは禁止となっています。

 そのほか、医療法改正に伴う医療法人の移行で、出資持分の放棄にかかる贈与税課税の判断基準を見直します。非課税に該当する範囲を広げる方向で「出資者が利益剰余金を放棄するに際し、出資者の親族等の相続又は贈与税の負担が不当に減少すると認められる場合には、医療法人に贈与税課税が発生」との現行の判断基準を見直し、新たな医療法人への円滑な移行を図ります。