レセ審査は現行方式が「妥当」

 

 厚労省は1日、「労災診療費のレセプト審査事務に関する検討会」(座長=山口浩一郎上智大学名誉教授)の報告書を公表しました。労災レセプトについては、支払基金等に審査を委託する現行の方式のほうが妥当だと結論づけています。

 昨年12月の衆議院決算行政監視委員会で「労災診療費のレセプト審査事務の社会保険診療報酬支払基金等への委託についても検討をすすめるべき」と決議されたことを受けて、同委員会は今年3月に設置されました。支払基金等への委託する場合の範囲・審査体制・審査機関・費用などについて検討し、5月29日の会合で報告書をまとめました。

 

 労災保険の保険者は国であり、現在は都道府県労働局が労災レセプトの全数審査を行っています。審査としては、業務外の私傷病を除外する審査など労災固有の審査と、診療報酬点数等に基づく審査の両方が行われています。

 報告書は、労災固有の審査について、労災保険給付の支給・不支給を決定する行政処分と密接不可分のため、これを委託することは困難としました。

 診療報酬等の審査は委託も想定できますが、委託する場合には

△ どの程度の審査・査定ができるかは不明

△ 審査期間が長くなり、労災指定医療機関等に負担が生じる

△ 支払基金の審査結果を確認するための体制づくりが必要

などの問題点を指摘しました。

 

 費用の試算は、委託により削減できる人件費は2.8億〜3.5億円とする一方、委託の手数料は3.2億円と推計しています。これに国が支払基金の審査結果を確認するために新たに必要になる軽費0.8億〜1.7億円が加わります。国の負担は0.6億〜1.7億円の増加となり、結果として「費用面でのメリットは実証できない」としています。