地域病院が育成に積極関与を

 

 年金・健康福祉施設整理機構の尾身茂理事長は8日、「総合医時代がやってくる」のテーマで講演しました。総合医定着のためには国民の理解や地域病院による育成への積極的関与の必要性を指摘しました。

 「総合医を育て地域住民の安心を守る会」主催の市民フォーラムでの基調講演から。

 求められる医師像として、@幅広い診療能力を持つA全体を診る訓練を受けているB患者の過去の病歴や普段の健康状態を熟知しているC地域に根ざした診療を行っている−をあげ、「こうした特徴を持ち、機能を果たせる医師を総合医とすべきだ」と提唱しました。

 総合医の定着によって、全人的な医療・介護・福祉等が連携して患者の生活を支え、安心して暮らせる社会になることを示しました。

 

 これまで総合医が定着しなかった理由は、▽日本の大学は伝統的に臓器別・疾患別の専門医や研究者を養成▽総合医の重要性・役割が不十分▽総合医の養成・資格は医療界・医学会で合意が得られていない▽識者の一部に導入への懸念がある−をあげました。

 導入の懸念では、英国型人頭払い制度の導入につながることやフリーアクセスが制限されることがあると指摘しました。

 

 人頭払い制度については、「日本には相応しくない」と言及しました。フリーアクセスの制限では「診療所など1次医療機関を受診する自由は維持すべきだが、2次・3次の専門病院の受診の際は、診療所の紹介状を必要とする」と述べました。

 総合医の定着には、@国民の議論を活性化させ理解の向上を図るA地域病院は、高次の医療機関や診療所と連携し、総合医の育成に積極的に関与するB総合医育成までの過渡期の対応として、既に総合医的な医療を実践している医師の資格付与は現実的・弾力的に対応する−を提案しました。